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忍者の心得を現代に活かす——小学生の忍者教室、4シーズンの実践から

忍者ショーの話ではありません。子どもの運動の話です。

愛知県一宮市の公共施設「エコハウス138」で、市の企画として小学生向けの「忍者教室」が開かれています。講師を務めるのは、忍者隠密隊(合同会社ジパング舎)の忍者、服部半蔵正重。名古屋城・金シャチ横丁などでは「尾張徳川隊」忍び衆として活動し、NHK WORLD「NINJA TRUTH」にも出演した現役のプロです。教室は開講から4シーズンの継続開催を経て、この秋に5シーズン目を迎える予定です。開講時には中日新聞(2025年4月1日付)でも紹介されました。

この記事では、忍者教室が何をやっているのかを通して、「忍者の心得」が現代の子どもの体づくりにどう活きるのかを書きます。

忍者の心得とは何か

派手な術でも、映画のような超人的な跳躍でもありません。講師の正重は子どもたちにこう伝えています。

忍者に必要なのは、忍耐と持久力。誰もが忍者になることができる。

忍者は歴史の表舞台に立たず、人知れず任務を果たした「縁の下の力持ち」でした。目立つことより、続けること。強く見せることより、いざという時に動ける体を保つこと。これが忍者の心得の核であり、そのまま今の子どもの体づくりに通じます。

伝書に残る「動物に学ぶ」術

忍者が動物の動きを手本にしていたことは、江戸時代の忍術伝書に実際に残っています。

床下や天井裏など立って歩けない場所を四つ這いで進む「犬走り」。同じ四つ足の姿勢からつま先立ちで進み、足音を消す「狐走り」。しゃがんで手のひらを地面に付き、その手の甲に足を乗せて一歩ずつ無音で進む「深草兎歩(しんそうとほ)」。いずれも動物の名を持つ、四つ足の歩法です。紀州流の伝書『正忍記』(1681年)には、夜道で使い分ける10種の足運び「足なみ拾ヶ条」が記されています。

身を隠す術にも動物が登場します。狐が水に飛び込み鼻先だけを出して身を潜める習性を真似た「狐隠れ」、狸が木に登って枝葉に隠れる習性を真似た「狸隠れ」。忍者は動物の動きを観察し、真似ることで、身を隠し、身を守ってきました。

四つ足の全身運動——伝書の術を子どもの運動に翻訳する

忍者教室のプログラムの中心は、この「四つ足」です。四つ足で歩く、走る。横に動く。後ろに下がる。それだけのことに見えますが、体への効き方が普段の遊びとは違います。

四つ足で動くと、手のひらや足の裏といった、普段の生活ではあまり刺激されない場所に体重が乗ります。腕の力と脚の力の両方を使って全身を運ぶため、自然に体幹まで動員されます。小学生の時期は、神経系の発達がほぼ完成に近づき、動きの習得に最も適した年代——いわゆる「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期です。この時期に全身をまんべんなく刺激して、運動能力の土台をつくる。それがこの教室の身体面での狙いです。

ゲーム性も忍者流に設計されています。定番の「尻尾取り」は、忍者バージョンとして四つ足限定で行います。二足で走るよりスピードが落ちるため、夢中になっても衝突の危険が小さい。安全性と運動量を両立させる工夫です。

四つ足の構えで忍者の尻尾取りに挑む小学生たち 壁倒立に挑戦する小学生を支える服部半蔵正重

時間の許す限り取り組むのが、倒立の練習です。3点倒立から始めて、普通の倒立ができるようになる子も出てきます。「これが、いずれバク転になるんだよ」——講師が目の前で見本を見せると、子どもたちの目の色が変わります。プロのパフォーマーが教える教室ならではの場面です。本物の手裏剣は、講師が投げる見本を見せ、子どもたちは間近で見て、少し触れてみるところまで。刀の基礎は、柔らかいスポンジの剣で練習します。

スポンジの剣を構えて刀の基礎を練習する小学生たち

いちばん大事な心得は「疲れて、食べて、早く寝る」

週に1時間、全身を使って夢中で動くと、子どもはしっかり疲れます。疲れれば、ご飯をしっかり食べて、夜早く眠れる。当たり前のようでいて、遊ぶ場所が減り、室内でのゲーム遊びが増えた今の子どもたちが、なかなか経験できていないサイクルです。

忍耐と持久力は、特別な訓練だけで育つものではなく、よく動き、よく食べ、よく眠る毎日の積み重ねの上に育ちます。教室の1時間はきっかけにすぎません。その体験が家庭での生活リズムに持ち帰られること——それがこの教室の、いちばん忍者らしい狙いです。

おわりに

忍者隠密隊は、企業イベントやインバウンド向けの忍者ショーに加えて、こうした教育・運動指導の現場でも活動しています。忍者というモチーフには、子どもを夢中にさせて動かす力があります。学校・スポーツ施設・地域イベントでの忍者教室や忍者体験をお考えの方は、お問い合わせページからご相談ください。

関連ページ:出張忍者ショー(企業イベント・英語対応)インバウンドイベント向けプログラム

参考資料:『正忍記』(国立国会図書館デジタルコレクション)/伊賀流忍者博物館「忍者の歩法と走法」/中日新聞2025年4月1日付「君も忍者だ!講師にプロ参上」/エコハウス138 教室案内

ジパング舎では、忍者ショー・和楽器演奏の出張公演を承っています。

催事の趣旨やご予算に合わせて構成します。料金の目安と構成例は、プラン・料金ページにまとめています。

LINE・メール(contact@zipang-sha.com)でもご相談いただけます。

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